午前4時、アリエク371円の蛇口が大破裂。壁の中でネジまで折れたが、なぜか私はまたアリエクで蛇口を買った

AliExpressで371円で購入した蛇口が破裂しDIYで修理した記事のアイキャッチ画像 雑記・思考
約1年3か月使った371円の蛇口が午前4時に突然破裂。さらに壁の中でネジまで折れたDIYトラブルの記録です。

※本記事はアフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を利用しています。

AliExpress、通称アリエク。

ここには、ときどき理解不能な商品が売っている。

「どう考えても、その値段では作れないだろう」

そう思うのに、写真を見ると妙に立派。

そして届いてみると、

「おお、意外とちゃんとしているじゃないか」

となる。

ここまでがアリエクの第一段階である。

問題は、その先だ。

今回は、約1年3か月前にアリエクで買った蛇口が、午前4時に突然大破裂した。

しかも交換しようとしたら、今度は蛇口の根元がボッキリ折れて、ネジ部分だけが壁の中に残った。

普通なら水道屋を呼ぶ場面だろう。

だが、私は違う。

371円なのに、どう見ても371円には見えなかった

問題の蛇口を購入したのは約1年3か月前。

価格は割引後で約371円だった。

安い。

あまりにも安い。

日本のホームセンターで蛇口を探したことがある人なら、この時点で何かがおかしいと気づくと思う。

しかし商品写真は非常に格好よかった。

実際、届いたものも悪くない。

見てほしい。

ガッチリした金属製ボディ。

スタイリッシュな形状。

表面には高級感のあるヘアライン仕上げ。

371円と言われなければ、普通にそこそこ良い蛇口に見える。

むしろ私は、

「アリエク、やるじゃないか」

と思っていた。

後から考えると、この見た目こそ最大の罠だった。

ちなみに商品タイトルをよく見ると、「Stainless Steel Faucet Double Outlet Dual Control Water Tap One in Two Out Faucet 1/2″ Bidet Faucets Bathroom Accessories」
直訳すると「ステンレス製蛇口 ダブル吐水口 デュアルコントロール水栓 1つで2口 1/2インチ ビデ用蛇口 バスルームアクセサリー」
どうやらこれはトイレ・浴室用品などで使うことを想定した水栓だったらしい。

そんなものを私は屋外に設置した。

しかも普通には使っていない。

4分岐パーツを取り付け、高圧洗浄機をつなぎ、自動散水タイマーまで接続。

蛇口を開けっぱなしにして、24時間ずっと水圧がかかる状態で使っていた。

トイレ・浴室用品の371円蛇口に対して、要求している仕事内容がおかしい。

今になって考えると、蛇口側からすれば、

「聞いていた話と違う」

だったと思う。

それでも1年3か月ほど耐えた。

むしろよく頑張った。

午前4時、外から「シューシュー」という嫌な音がする

運命の日。

時刻は午前4時。

外から妙な音が聞こえてきた。

シューーーーー。

シューーーーー。

この音、水回りでは非常に嫌な音である。

外へ出て確認してみる。

すると蛇口周辺から、ものすごい勢いで水が噴き出していた。

最初はパッキンかと思った。

ところが違う。

蛇口本体の真横から水が出ている。

金属の面から、霧吹きのように水が噴射しているのである。

蛇口というものは、本来、水を出口から出す道具だ。

横から出してはいけない。

どうやら長期間水圧をかけ続けたことで、本体にクラックが入り、そこから水が噴き出したらしい。

ここで頭をよぎったのは修理方法ではない。

水道代である。

こんなものを朝まで放置したら、どれだけ水が流れるのか分からない。

とりあえず家全体の元栓を閉めた。

これで噴水は止まった。

同時に、家中の水も止まった。

午前4時。

家の水道、全面停止。

なかなか楽しい展開になってきた。

蛇口を交換しようとしたら「ボキッ」

幸い、予備の蛇口は持っていた。

「だったら交換すればいい」

話は簡単である。

壊れた蛇口を外す。

ところが。

ボキッ。

嫌な感触がした。

蛇口が外れた。

いや、正確には違う。

蛇口だけが外れた。

ネジ部分が途中から折れ、水道管側のネジ穴の中に残っている。

つまり壁の中には、

折れた蛇口のネジ山だけがリング状に残っている。

これはまずい。

普通のペンチではつかめない。

外側から回そうにも、完全に配管の中に入っている。

しかも相手は壁の中の水道管だ。

ここを傷つければ、371円の蛇口どころの話ではなくなる。

午前4時。

外はまだ暗い。

水道は止まっている。

蛇口は折れている。

ネジは壁の中。

この状況で無理に作業するのは危険なので、外が明るくなるまで待つことにした。

焦ったDIYは、だいたいロクな結果にならない。

コーナンへ「専用工具」を買いに走る

外が明るくなるのを待って、朝からコーナンへ。そこで、水道管の中に残った折れたネジを取り外すための専用工具を購入してきた。

こういう工具は普段ならまず使わないが、今回ばかりは救世主である。

購入したMCC内径レンチ15Aのパッケージ
水道管の中に残った折れたネジを取り外すため、朝になってコーナンで購入した内径レンチ15A。今回のトラブルを救った専用工具です。

ちなみに、工具はAmazonでも「MCC 内径レンチ 15A (品番:IPW-15)」の名前で販売されている。
Amazonで折れた配管ネジを外す工具を探す

帰宅後、さっそく折れたネジの内側に工具を食い込ませ、慎重に回してみる。

すると――。

取れた。

水道管内に残った折れた蛇口のネジ部分を専用工具で取り外した状態
蛇口が根元から折れ、水道管の中に残ってしまったネジ部分。専用工具を使い、壁側の配管を傷つけることなく無事に取り外せました。

水道管の中に残っていたネジ部分だけをきれいに摘出。壁側の配管は無傷だった。

完全勝利である。

そしてこの成功によって、

「今後また蛇口が折れても、抜けばいい」

という、DIY的には頼もしいが、アリエク利用者としては少々危険な無敵感を手に入れてしまった。

壊れた蛇口を見て、さらに驚いた

そして取り外した蛇口を改めて観察してみた。

ここで今回最大の衝撃が待っていた。

破裂したAliExpress製蛇口の断面と内部のプラスチック部品
破裂した蛇口の断面。外からは頑丈な金属製に見えましたが、実際の金属部分は驚くほど薄く、内部にはプラスチック部品が使われていました。

薄い。

とにかく薄い。

外から見ると、あれだけガッチリした金属製蛇口に見えていたのに、断面を見ると金属部分が恐ろしく薄い。

感覚的には、

アルミ缶か、昔のブリキのおもちゃ。

しかも内部にはプラスチックのインナーらしき構造が入っている。

なるほど。

だから371円なのか。

私は思わず笑ってしまった。

これはある意味、すごい技術だ。

外見だけを見れば、

「分厚い金属の塊です」

という顔をしている。

しかし割ってみれば、

金属の皮をかぶった張り子の虎。

必要なところだけそれっぽく作り、外観だけは見事に成立させる。

このコストダウン能力には、むしろ感心する。

アリエクの闇は深い。

だが、その闇には時々、妙な芸術性がある。

次に登場した予備蛇口も、やっぱりアリエク品質だった

さて、壊れたネジは無事に取れた。

あとは予備の蛇口を付ければ、とりあえず水道は復旧する。

ここで登場するのが、手元にあった別の中華製蛇口。

こちらも商品説明では「SUS304」などと立派なことが書いてあった気がする。

ところが実物は、

カサカサした質感の謎の鋳物。

屋外水栓に仮で取り付けた中華製の2口蛇口
本命の蛇口が届くまで仮設した予備の中華製2口蛇口。見た目は悪くありませんが、細部を見るとアリエクらしい加工の甘さがありました。

さらに出口側を見ると、ネジ山がまともに切られていない。

普通ならもっと奥までネジが続いているはずなのに、

2.5回転くらいしかない。

数本のネジ山だけで、

「後はお前がなんとかしろ」

という設計である。

さすがアリエク。

壊れた蛇口の代わりに出てきた予備まで、しっかり不安を提供してくれる。

「数日だけだから」とシールテープ無しで付けた結果

ただし、これは本命ではない。

新しい蛇口が届くまで数日間使えればいい。

そこで私は考えた。

「漏れたら、もう一回やればいいか」

そしてシールテープを巻かず、そのままねじ込んでみた。

本来なら、あまりおすすめする方法ではない。

ところが。

水を出してみる。

漏れない。

しばらく見る。

漏れない。

接続部分を触って確認する。

全然漏れていない。

なぜだ。

粗悪な鋳物蛇口。

シールテープ無し。

それなのに、奇跡的にネジ同士が完璧に噛み合ったらしい。

ミクロン単位の偶然なのか何なのか知らないが、完全無漏水。

あれだけ怪しい商品なのに、こういうところだけ突然ものすごい精度を発揮する。

これだから中華ガチャは面白い。

無事、家の元栓を開けることができた。

生活水、復旧。

長かった午前4時からの戦いが終わった。

普通なら「もう中華蛇口は買わない」となる

ここまで読んだ人は、おそらくこう思っているだろう。

「次はちゃんとした日本製を買え」

私も一応、そう思った。

そこで今日、コーナンへ行って蛇口を見てきた。

価格を見る。

5,000円前後。

高い。

アリエク371円蛇口のおよそ15個分である。

もちろん単純比較するものではない。

品質も信頼性も違う。

水回りなので、本来は信頼性を優先するべきだ。

それは分かっている。

しかし、もう一つ問題があった。

私が欲しいような使い勝手のいい2口タイプが意外と見つからない。

屋外では、一方をホースや自動散水系につなぎっぱなしにして、もう一方を普通の蛇口として使いたい。

この構成が非常に便利なのだ。

そして私は思った。

「だったら……」

またアリエクで買いました

はい。

買いました。

懲りていない。

次に選んだのは、

1,000円前後の真鍮製2口モデル。

しかも今度は、ちゃんと屋外用。

前回の371円から約3倍。

つまりアリエク基準では超高級蛇口である。

もはやハイエンドモデルと言っていい。

そして今回は真鍮。

少なくとも、割れた断面がアルミ缶みたいになっている可能性は前より低い……と信じたい。

普通の人なら今回の事件で、

「二度とアリエクで蛇口なんて買わない」

となるだろう。

しかし私は逆だった。

折れても外せることが分かった。

内径レンチもある。

配管を傷つけずに救出できることも確認した。

つまり私の中では、

「また折れても直せる」

という結論になってしまった。

非常に危険な成功体験である。

アリエクは「安い店」ではなく「DIY上級者向けガチャ」なのかもしれない

今回の371円蛇口。

結果だけ見れば壊れた。

しかも午前4時に。

常時水圧がかかった状態で本体にクラックが入り、最後は取り外す際に根元まで折れた。

製品として褒められるものではない。

ただし、そもそもトイレ・浴室用品として売られていたものを屋外に設置し、4分岐して、高圧洗浄機と自動散水をつないで、24時間水圧をかけ続けた私にも、それなりに責任はある。

むしろ371円で1年3か月耐えたことを考えると、

「意外と頑張ったな、お前」

という気持ちすらある。

アリエクの商品は、安い代わりに何かが省略されていることがある。

材料だったり。

加工精度だったり。

検品だったり。

耐久性だったり。

あるいは全部だったりする。

だから、誰にでもおすすめできるものではない。

特に水道設備は、失敗すれば漏水や建物への被害につながる。壁内配管を傷めれば、自分で直せる範囲を簡単に超えてしまう。

自信がなければ、水回りは素直に専門業者へ依頼した方がいい。

これは本当にそう思う。

一方で、構造を理解していて、トラブル時の対処方法も分かり、必要な工具も持っているなら――。

アリエクは突然、

巨大なDIYテーマパークになる。

「今回は何が届くんだ?」

「本当に真鍮なのか?」

「ネジはちゃんと最後まで切ってあるのか?」

「写真と同じ物が来るのか?」

こんなスリルを1,000円で楽しめる。

ある意味、ものすごくコストパフォーマンスの高い娯楽である。

次の真鍮2口蛇口が届いたら、まず重量を確認する。

次に内部を見る。

ネジ山を見る。

肉厚を見る。

そして取り付ける。

今度こそ本当に「屋外用最強蛇口」なのか。

それとも、新たなアリエク伝説が始まるのか。

どちらでもいい。

工具は、もう揃っている。

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